●第22回関東甲信越居合道大会

●同大会表彰式 (2018.11.24)

●同大会の六段個人戦で5人抜きし、賞状をいただきました。ちょっと照れています。(2018.11.24)

●長編歴史・時代小説「秋の遠音」の時系列の年表。寛政元年(1789年)から明治38年(1905年)迄の登場人物に関する事項を、人物事・年代事に書き込んで作った巻物です。2つあわせると10メートル程になるでしょう。最初の卷はもうボロボロになってしまいました。

●渋谷区剣道連盟居合道部会創立20周年記念演武「夢想神伝流・奥伝〈信夫〉」左は越湖六段(12.1)
 
●関東梅苑会(福島高校の関東地区同窓会)学年幹事会。私を挟んで左は皆川さん右は佐々木先輩(12.4)

●全日本弓道連盟名誉会長・範士十段の鴨川信之先生が、11月27日に逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。(享年95歳)
2ヶ月前にお電話でお話ししたばかりでした。
7年前に、長編時代小説「冬の櫻」を贈呈したところ、激賞いただきました。それまで本格的な弓道小説が日本に存在しなかったので、大変喜んで頂きました。写真は平成28年(2016年)2月末に、長崎の御自宅に伺った時の写真です。弓道の国際化をはじめ、現在の弓道発展の道筋をつけられたいわば、「昭和・平成にわたる弓道中興の大人物」です。
私が錬士審査を「立射」で受審していて、なかなか合格できなかったのですが、ようやく合格して先生にご報告すると「私も25年以上審査員として係わっていたが、立射で合格したのはおそらく君が初めてだよ」とお話し頂きました。その後、立射で教士や錬士審査で合格される方も出て来ましたが、先の小説とあわせ、私が先鞭をつけ、先生に認められたことを光栄に思っています。
2年前に御自宅にお伺いしたとき「『一日百射』稽古しているよ」と93歳とは思えない矍鑠とした先生でした。御自宅で2時間近く色々なお話しを伺って参りましたが、私のような者にこんなことまで話されていいのかなという内容もございました。何れ時が来たら、皆様にお話しすることもあるかと思います。

<strong> ひと言で言うと、私にとって大きな節目になった平成30年でした。</strong>
 昨年(平成29年)の11月の半ばに癌が見つかって、平成30年の年明け早々に手術をすることになり、年明けは、小さな平口のお猪口にたった一杯の「元旦」でした。
 この癌(膀胱癌)に対しての情報が少なく、次男の友人、大学病院の泌尿器科で最新の医療情報を持つ南医師に、二度ほどご相談する機会を得ました。セカンドオピニオンとしての意見、いやそれ以上の具体的な指針をいただいて、心に余裕が出来ました。
 しかし年内に片付けなければならない懸案事項があって、何度か出張しましたが、その間、血尿が止まらず、尿取りパッドや、紙おむつの優劣も、否応なしに勉強することになりました。

 この癌について、多くの文献や症例を参考にしましたが、他の癌と比べて再発率が非常に高いことと、術後の抗癌剤治療が特異な病気だと知りました。
 松田優作さん、菅原文太さん、ボクシング元世界チャンピオンの竹原慎二さんも膀胱癌の患者です。最近では、ワイドショー・キャスターの小倉智昭さんが、二度の膀胱癌手術のあと、再発し膀胱全摘するという発表は記憶に新しいところです。

 1月の上旬に、自宅から近い新宿の総合病院に入院し、1回目の手術の後、組織検査の結果、あまりたちのいい癌ではないというので、2月の末にもう一度手術をしました。その結果によって、膀胱全摘も覚悟してくださいと医者から宣告されました。その1ヶ月半は、生死観について、深く考えた時期でもありました。
 万が一のことがあれば、書きかけの長編歴史・時代小説「四季四部作」の最終作品「秋の遠音」は未完になるな、書き始めたばかりの「空の如く」や「初音の裏殿」は、私の頭の中だけで終わるなと思いながら、昨年の春から書き始めていた随筆集「言挙げぞする」は何としても仕上げなければと、病室にノートパソコンを持ち込んで、纏める努力をしました。

 そんなことから、「言挙げぞする」は、自己の生死観について、一見雑談のようなところから、既存の仏教、儒教、神道など、従来の誤謬とその本質を、易しくしかし、あまり独善的にならずに記載しました。学者や、研究者、宗教家とは全く違った、日常の暮らしの中から、日本精神の基層の特質を冷静に見ていこうとする、私自身の実践してきた等身大の考え方です。
 「ごまめの歯軋り」と嗤うものは嗤えという心境で纏めました。何れ拙著が、認められることもあると信じています。それに我が実践思想(「心身経営学」も含めて)の本質を理解してくれる人物が、私のあとを引き継いでくれるその種蒔きの役割もこの冊子が果たすかも知れません。

 お陰様で、2度の手術後に、BCG療法という抗癌治療を6回行い、検査の結果、残存癌はないと告げられ、一安心いたしました。ただ、補助療法として更にBCG療法を行いましたが3回で中止しました。一般の抗癌剤治療よりも副作用が厳しいことは、最初の6回で体感していましたが、補助療法の3回は、発熱と、血尿と、30分に1度の頻尿が収まらず、とても普通の日常生活ができなくなって、中止しました。
 病気や怪我は、どんなものであっても、それぞれ特有の辛さがありますし、比較することは出来ません。ただ、人は病気になって初めて「健康」の大切さを思うのでしょう。
 人は、健康を損なわれたことで、否応なしに自分自身と向き合うことになります。その向き合い方は様々ですが、癌という病気は、その時間を我々に与えてくれます。少なくとも私にとってはそうでした。急性心筋梗塞、脳卒中、交通事故など、一瞬にして生命を奪われてしまうとそうはいきません。
 病気の後、私にとってのQOL(Quality of life:クオリティオブライフ、「生活の質」「生命の質」)とは何かと整理し、本気で人生の再構築を図らなければと思いました。
 今回の病気は、私に与えられた絶好の機会と前向きに考えています。
 あと何年生きられるか、その間何を優先し、何を切り捨てていくか、何処まで質素に生きられるか、何を何のために残すのか、それが我欲になっていないかなどと、基本に立ち返って自問します。その立ち返る場所を自分の中に作っていくことが、生きることの意味だと思います。

 今年は、入院手術と、リハビリと大きな節目の一年でしたが、新刊上梓もしましたし、何よりあらゆる考え方・行動の基本となる哲理とじっくり向き合えました。それは私の日常の生き方を大きく変えたようです。見えなかったものが、不思議と見えてきたりします。
 例えば、趣味の弓道も居合も、呼吸と業がバラバラで、自分の中で溶け合わなかったのですが、稽古を再開した10月から、かつてなかった、ある感覚を得られるようになったのです。いつもそれが出来れば、「名人」の域に到達するのでしょうが、凡人の悲しさでそうは行きません。しかし、そのゾーンに入ると無心になれて、弓でいえば、余分な力が抜けて、離れは自然で、射形も美しく、必ず的中します。居合では、仮想の敵をはっきり捕らえることが出来ます。一皮剥けたのかも知れませんが、まあ薄皮です……。残念ながら年齢からくる変形性肩関節症が辛いです。

 来たるべき平成31年度は、長編歴史時代小説・四季四部作、最後の「秋の遠音」の上梓と、「初音の裏殿」シリーズ第1作の脱稿等、計画していることがたくさんあります。それらを、焦らずに、しかし迅速に着実に仕上げていきます。また、私の処女作「永別了香港」の改訂電子版も、アップしていきたいと思います。ご期待ください。
 平成30年はVOL.35から今回でVOL.50まで(VOL.49の「まとわりつく嫌な感じ」は長くなりましたので、リーフレットに纏めるため、未発表です)、15の文章をアップしました。息抜きで書いたもの、本気で書いたもの、啓蒙・PRを兼ねたものなど多岐にわたりましたが、お読み頂きまして誠にありがとうございました。
 読者の皆様にとって、来る平成31年度は、稔りの歳になりますことを記念して筆を措きます。
                                                                                         2018.12.16      春吉省吾ⓒ