主な登場人物(上・中・下通して記載)

 第一章・失地回復
◆主人公「吉村 土肥助(春明)」が活動するまで

●立花 種周 三池藩一万石六代藩主、高齢で若年寄を務めるが、文化二年(一八○五年)突然解任。蟄居・謹慎を命ぜられた。
●立花 兵衛 三池藩家老、後に下手渡藩初代家老。異郷の地で下手渡藩の基礎を確立。立花靱負の父。
●屋山 大進 下手渡藩に入り、立花兵衛と共にその基礎を作った。屋山外記の父。
●松平 定信 白河藩十一万石藩主、徳川吉宗の孫で、田沼意次を失脚させ、老中首座となり寛政の  改革を行った。その後、将軍家斉と対立、老中を解任された。権謀術数に長けた。
●松平 信明 三河吉田藩七万石藩主。松平定信の後を受け、老中となった。
●徳川 家斉 十一代将軍。
●近藤 重蔵 江戸後期の北方探検家。幕府に蝦夷地警備の重要性を建言。種周が蝦夷地総監を拝命した際に力を貸した。
●伊能 忠敬 日本地図を作成した測量家。四十九歳で隠居した後、江戸の天文学者高橋至時の門下生となり、全国の測量を目指し、各種の日本地図を作成した。
●南 三省 下手渡藩藩医。五十石三人扶持。
●立花 種善 下手渡藩一万石初代藩主、父種周が蟄居・謹慎の後、下手渡藩に移封、その基礎を作っ た。
●立花 種温 下手渡藩二代藩主。初代種善のあとを受け、天保の大飢饉、大坂加番役を務め、藩政 の安定と藩士の教育に努めた。

 第二章・内憂外患 以降
◆主人公「吉村 土肥助(春明)」が下手渡・福島で出会った人々

●吉村 土肥助(春明) 本編主人公。陸奥下手渡生まれ。早くして父惣兵衛を亡くし、のちに三代藩 主立花種恭の補佐を務めた。嘉永五年(一八五二年)、分領筑後三池に赴き、炭鉱経営を改善し、民政・財政を立て直し、下手渡の養蚕業も活性化させた。下手渡・江戸・三池と往来すること十数回。
●吉村 房 土肥助の母。早くに夫惣兵衛を亡くし、土肥助を女手一つで育て上げた。機織りに優れ、その工賃によって糊口を凌いだ。
●屋山 外記 屋山大進の嫡男。陸奥下手渡生まれ。土肥助の幼なじみ。家格により、若くして国家老になる。幕末に藩論が二分したとき、下手渡の置かれた立場を把握し、領民を守った。 
●森 泰 陸奥下手渡生まれ。用人森左司馬の養子。土肥助の幼なじみ。勤王の志強く、藩論を勤王に纏めようとして失敗。下手渡を勤王藩とすべく画策。維新後、三池に残り、福岡で新聞社を創立。
●淵大 和尚 下手渡耕雲寺住職。

●立花 靱負 陸奥下手渡生まれ。代々家老職の家格で、父は立花兵衛。
●卯月 下手渡藩小島村、名主新関善右衛門の娘。吉村土肥助の嫁となる。本編ヒロインの一人。
●新関 善右衛門 下手渡藩小島村名主。
●富子 善右衛門の妻。
●新関 善一郎 善右衛門の長男。目立たないが、陰に回り土肥助、後の春明を扶けた。妻は繁子。
●半蔵 マタギを先祖に持つ、火縄の使い手。新型鉄砲の操作にも優れ、吉村土肥助の下男となる。常に土肥助の手足となり、傍らに寄り添った。
●葉月 下手渡藩小島村、名主新関善右衛門の娘。卯月とは十二歳四ヶ月離れた妹。本編ヒロインの一人。
●ヨネ 下手渡の産婆。娘のタカは跡を継ぎ産婆になった。
●南 持 下手渡藩藩医、祖父は三省、父は大淵。元治元年(一八六四年)四月、大坂適塾に入門。
 養子二郎(旧姓・山岡房次郎)は二本松少年隊の生き残りである。
●古河 市兵衛 近江出身。井筒屋(後の小野組)の番頭となり、福島町を拠点に、信達地方の蚕種取引で商才を現す。明治十年(一八七七年)足尾銅山経営に乗り出し、古河財閥の基礎を築く。
 事実上最初の妻は鶴子。
●熙然 和尚 下手渡耕雲寺住職、淵大和尚の後任。 
●堀切三郎左衛門 上飯坂豪農、堀切家十三代当主。息子は十四代当主、良平。
●山田 脩 二本松製糸所設立に参加。のちに「双松館」経営。
●清水 清助 井筒屋(小野組)の古河市兵衛のもとで働き、のちに白河「白清館」を経営。
●原 敬 郵便報知新聞記者。後の第十九代総理大臣。
●吉村 吾朗 吉村春明の長男。昭和十三年に「下手渡藩史」を自費出版する。

◆主人公「吉村 土肥助(春明)」が江戸(東京)・横浜で出会った人々

●大石 進(種次) 柳川藩十万九千石の剣術師範となり、江戸に出府し、天保の三剣豪の一人といわれた。隠居後は武楽と称した。同名の二男の進(種昌)が大石新陰流を継承した。
●佐藤 一斎 昌平学の儒官。幕末に活躍する多くの英才を育てた。吉村土肥助は一斎から手渡された「重職心得箇条」を行動の拠り所とした。
●巳之吉 土肥助と出会った辰巳芸者。日本橋に移り、後に、置屋「富や」の女将となる。
●立花 種恭 下手渡藩三代藩主。立花種善の甥。幼名鐘之助。立花種温の養子となり、幕府の若年寄、外国奉行、会計総裁、老中格をつとめた。明治元年筑後三池に転封。廃藩後は華族学校(現学習院) 初代校長となる。奥方は於辰(のち辰子と改名)。
●立花 壱岐 柳川藩の峻烈な藩政改革をなしとげ、家老職になる。幕末維新の最激動期に病気になり退くが復活。岩倉具視に意見進言した。主人公、土肥助(春明)に多大な影響を与えた。
 嫡男の備中は、官軍柳川藩の先鋒として磐城城攻略、下手渡藩を襲った賊を蹴散らした。
●庵原 寛兵衛 下手渡藩の側用人から、三池に入り、後家老職となる。春明とは何かと対立する。

●佐野 新八郎 下手渡藩江戸屋敷用人、城使(留守居役)。三郎治は息子である。
●松本 良順 長崎に留学、ポンペに師事、のち医学所頭取となった。立花種恭の主治医となる。戊辰戦争では幕軍に参加、会津に軍陣病院を設けて戦傷病者の治療を行った。
●浅草 弾左衛門 第十三代弾左衛門。江戸時代の被差別民であった穢多・非人身分の頭領。長州征伐や鳥羽・伏見の戦いで幕府に協力した功労によって、被差別民から平民に取立てられた。
●小林 源七 弾左衛門の手代
●徳川 家茂 幕府十四代将軍。
●徳川 慶喜 幕府十五代将軍。
●小笠原 長行 肥前唐津藩の世子。幕府若年寄、老中格にすすみ、のちに老中、第二次幕長戦争では九州方面監軍として指揮をとるが敗退。戊辰戦争では、新政府軍に抗戦するも後に自首。
●板倉 勝静 備中松山藩藩主。長く老中をつとめ種恭の上司としての立場にあった。幕府瓦解後、  奥羽越列藩同盟の参謀となり箱館五稜郭に転戦した。後に上野東照宮祠官となった。
●レオン・ロッシュ 駐日フランス帝国公使。幕末期の江戸幕府を支援した。種恭の長期にわたる交渉相手であった。
●堀 直虎 信濃須坂藩一万石、十三代藩主。外国総奉行を務めるが、慶喜に徹底抗戦を進言したが容れられず、江戸城御用部屋で自害。
●ジェームズ・バラ 日本最初のプロテスタント教会を作った、アメリカ人宣教師。
●秋月 悌次郎 京都守護職松平容保のもとで京都にて活躍した会津藩士。
●チャールズ・グージング 学習院のイギリス人雇用教師。
●榊原 鍵吉 幕末・明治初期、直心影流剣術の達人。天覧兜割りの成功など「最後の剣客」と呼ばれる。
●加納 久宜 立花種恭の実弟。一宮藩主。岩手県師範学校、新潟学校校長を義経て、判事に転じ、大審院検事、鹿児島県知事を歴任。

◆主人公「吉村土肥助(春明)」が三池・長崎地方で出会った人々

●塚本 源吾 筑後三池の生まれ。薬種商、石炭採掘業の元締、大財産家、塚本忠治郎の嫡男。三池藩の郷士格を持って迎えられ、藩に貢献した。攘夷活動に傾倒し、真木和泉を敬い、禁門の変に参加。妻はミヨシ。
●藤本 傳吾 三池の石炭長者であったが、三池が下手渡分領地になるとその利権は奪われた。
●中島 直記 下手渡三池分領地家臣。先祖は下手渡移封以来、三池の元家臣達の支えとして活動。
●キク 塚本家の女中頭。半蔵と所帯を持つ。
●阿部 俊哲 三池藩藩医。勤王の志強く、真木和泉に傾倒し、塚本源吾らと行動を共にした。
●立花 碩 立花靱負の年の離れた義弟(景福)。長男は、陸軍大将立花小一郎。
●真木 和泉 幕末の志士。筑後国久留米水天宮祀官。京都で尊攘運動を展開するが、禁門の変に敗れ、会津藩と新撰組の追撃を受け自害爆死した。
●トーマス・グラバー スコットランド出身の武器商人。

●ウイリアム・オルト イギリス商人。春明と半蔵はオルトから新型銃を直接買い付けた。

◆主人公「吉村土肥助(春明)」が京都で出会った人々

●大久保 忠寛(一翁) 江戸末期の幕臣。京都町奉行、外国奉行などを歴任し、江戸開城に尽力。後、東京府知事。
●坂本 龍馬 土佐藩郷士。脱藩後は志士として活動し、貿易会社と政治組織を兼ねた亀山社中を結 成した。春明とは、一翁の大坂の宿所で出会った。