「29円モヤシ」の目線で、日韓問題を考える VOL.56

29円モヤシ表紙400字原稿用紙で330枚、すべて書き下ろしの内容です。A5判のブックレット・1,250円(消費税別)で販売いたします。

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「29円モヤシの目線で 日本の危機と 生死観を考え直す。」(以降「29円モヤシ」と記述)というタイトルの単行本、7月8日に私の手元からすべて離れた。当初7月20日が販売予定だっが印刷製本の都合で、10日ほど遅れるが、後はできあがってくるのを待つのみとなった。
最後の最後まで、誤字やダブりがないかとチェックした。今朝(7月8日)も「校正トラウマ」で、誤字処理に追いかけられている夢を見た。
他の作家センセイと違い、取材から、執筆、レイアウト、校正、表紙デザイン、印刷製本の交渉、流通へのPR、DMやブログの作成すべて、私がやっている。
今回は、校正校閲を、元新聞社の編集局長の友人にお願いした。60ヶ所以上修正の指摘を受けた。深謝申し上げる。だがその冊子の最終責任はすべて私なので、脱稿してもなお、誤字脱字も気にしながら、販売戦略まで考えなければならないというのが私の役割である。

さて「29円モヤシ」は、タイムリーな事象を例に、一読する限り、ごった煮のようだが、学際(interdisciplinary:異なる学問分野にまたがって関わる)的で、そこそこ体系的で、突き放したような筆致で、実は日本人として持つべきホットな精神構造を書き込んでいる。
人の思考、行動は、重層的でそんなに単純ではないが、しかしある触媒によって、前後見境がなく感情的になり、我欲で身を滅ぼすこともある。そんな危険をはらんだ「生き物」が、我々人間だという当たり前のことを再認識してほしいと思って「29円モヤシ」を纏めた。
拙著「29円モヤシ」で、その解決策は、日本人一人ひとりがすでに持っていると言うことを明らかにした。しかしその精神はすべての日本人が持っているのだか、江戸・明治期以降、現在に至るまで精査されてこなかったために、はっきりと自覚していない。実にもったいない。
特に今起きているニュースや「事象」を考えるときに、私の主張する重層的な考え方を持つと視点が大きく違ってくる。物事を深く、世間の雑事にイライラせずに生きていける。

歴史はどの時点から、その原因を事を考えるかで、その対処の仕方と深さが違ってくる。単純な対立軸では括れないし、そうしてはいけないのだ。だから、
「日韓関係が『悪化』しているようですが、あなたはこれについてどう思いますか」
と質問されても、私は困ってしまう。
悪化の基準を何処に置くかで変わってくるからだ。
4~6世紀、朝鮮半島の一部を統治・同盟し、半島の抗争に関わったヤマト政権を言うのか、唐・新羅軍に完敗した白村江の戦い(663年)を基準にするのか、倭寇が朝鮮海域を脅かしていた時代か、秀吉の朝鮮出兵か、徳川六代・七代将軍の時代、朝鮮通信使の接遇を新井白石が質素にして冷え込んだ李氏朝鮮との関係か(白石も朝鮮通信使の自尊心の強さに辟易したことだろう)、明治初期の征韓論(調べていくと朝鮮との些細なボタンの掛け違いから端を発した)か、日清戦争以降の日本併合から戦中の朝鮮統治の時代か、1950年の朝鮮戦争、戦後補償、李承晩ラインに代表される、今に続く歴代の大統領達と日本政府との関わり合いか。
相互の長い歴史の中で、朝鮮との関係は実に微妙だ。
特に、我々日本人が知らねばならないことは、李氏朝鮮時代の厳しい身分制度についてである。
両班(ヤンバン)、中人、常人、賤民、さらに人間扱いされなかった「白丁」(ペッチョン)と、それぞれの階級の中にも、さらなる身分格差があった。
それを解放したのが、統治下の日本統監府であった。特権階級の両班は激しい抗議デモを繰り広げたが、身分にかかわらず教育機会を与えるべきだと、日本政府によって即座に鎮圧された。 それは日本政府の都合でもあったのだが、結果的に朝鮮の民族解放に大きな役割を果たした。
日本でも放送されている韓国の時代劇ドラマだが、当時の激しい身分格差をそのまま表現すれば、物語が成り立たなくなる。日本の江戸時代とは全く違うという認識が必要なのだ。
儒教にすっかり取り込まれ、李氏朝鮮の両班制度のその悪しき歴史は、戦後「日本統治下」の悪行としてすり替えられた。朝鮮は日本統治下のもとで、身分格差と貧困から解放されたのだという事は、口が裂けても言いたくないのだろう。
朝鮮統治期間中(1910年8月~45年9月)に、日本政府が朝鮮半島に投入した金額は、公債未償還額を含めると額面で20億円を超える。仮に当時の1円が平均現在の3万円とすれば現在の63兆円である。
当時、日本も貧困にあえぐ中で膨大な投資であった。投資対効果が非効率である事は当時の日本政府も認識していた。日韓関係の不思議さで、語られず埋没した歴史がそこにある。
5年前、 韓国ソウルで、「日本の植民地統治は、良いことだったとワシは思うよ」と95歳の韓国人男性が日本統治時代を「肯定」する発言をしたところ、居合わせた男の怒りを買い殴り殺されたという事件が起こった。男は「愛国心ゆえ」の犯行だと供述した。「親日」「日本寄り」と判断されるとそれだけでバッシングされる。果たして言論思想の自由な国家と言えるだろうか。
韓国が深刻な経済危機に陥った65年、「日韓請求権並びに経済協力協定」を締結し、韓国に総額8億ドルの経済援助をすることになった。当時の韓国の国家予算2年分以上に匹敵する金額で、この協定で日韓間の補償問題はすべて決着した。(という国家間の決めごとであった)
71年度からは交換公文ベースの円借款が始まり、第2次石油危機後の不況下にあった83年には、全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領の強い要請で40億ドルの経済協力が決まっている。

戦後、韓国では事実上の身分制度が再編された。かつての両班(ヤンバン=貴族)に当たるのは財閥オーナー一族、財閥の番頭たちだ。「お前らとは身分が違うのだ」とばかり、かつての両班のように振る舞った。今日の韓国は「有銭無罪」がまかり通る。韓国財閥の子供達が次々と傲慢な事件を起こすニュースを見て、「これほど馬鹿なのか」と思って違和感を覚えた方もおいでだと思う。実態は、創業者達の持っている、李氏朝鮮の習俗の残滓なのだと思うと納得がいく。

38度線を境に分断された、南北の民族の悲劇も未だ修復はされず、被害者意識をさらに増幅した。しかしアメリカや中国には、決して逆らえない。だがこれまで日本には、何を言っても許された。それが朝鮮民族を鼓舞する唯一の方法であった。そして日本の歴代の政権もマスコミも、朝鮮統治時代の負い目もあって、右派も左派も、その本質と向き合うことはしなかった。
何しろ、在韓民団と朝鮮総連など日本国内でも、感情論と相まって、日韓関係は、戦後74年だけをとっても、安定的な関係などなかったのだ。
というわけで上記のような質問を受けても、テレビコメンティターや解説者の「一言居士」のようには答えられようがない。
「29円モヤシ」にも一部記載したが、韓国は戦後一貫して、「反日教育」を国是としてきたので、残念ながら将来的にも肝心なところで、日韓関係は先鋭化し、好日になれない。むしろ、戦後74年、これまで日本人の方が遙かに「好韓」的であった。
私は一度も韓国を訪れたことがないが、我々世代以上の男達が日本のバブル・好景気に、農協や企業の経営者ツアー、果ては町内会までキーセンパーティーと称して、買春ツアーが当たり前のように行われた。そういう反動が、何かのきっかけで「抗日」悪化の原因を作ってしまう。これも、日韓に横たわる嫌な歴史である。(一番儲けたのは韓国の旅行業者だか)
今回、日本の対韓国半導体材料などの輸出規制の強化により、韓国政府、サムスン電子などの企業が戦々恐々としているが、元々その基礎技術は日本の東芝などが作り上げたものだ。しかし当時の通産省の戦略が甘く、「日米半導体協定」で日本はアメリカに徹底的にたたきのめされた。 日本の技術者を通して、サムスンに半導体の大事な部分が流失してしまった。サムスンの企業としての、したたかさ・ずるさを忘れてはいけない。企業間サバイバルは、スパイ映画どころではない。「欲望」の権化のような世界だ。勝ったものが正義となり、覇権を握る。当時の日本の企業は、技術漏洩・人材流失に対し、実に甘かった。政治も同じだ。
日本の企業は、この機を捉えて、戦略を練り直し、捲土重来を図ってもらいたい。きれい事ではすまないのだ。まあこれ以上のことは「29円モヤシ」をお読み頂きたい。
さて、どこかで日韓の対立は収拾しなければならないが、本格的な交渉は、現大統領の文在寅(ムン・ジェイン)の退任後だろう。彼は、1953年生まれで、北朝鮮からの避難民の息子として生まれ、弁護士として人権運動に参加したのち、盧武鉉政権で大統領側近として活躍したが、反日教育を強烈にたたき込まれた世代で、自尊心が強く発想は狭量だ。陳腐な自尊心を持つ人間ほど、その心象は卑屈な意識に裏打ちされているから始末が悪い。
悪化し続ける日韓関係は「制裁を止めるシナリオが無い事が問題」と桝添要一氏が言ったというが、言わずもがなの発言だ。政治学者ならばもう一つ、その先を考えた発言をしてほしい。
私は、日本としては痛み(主として企業利益の減少)を伴っても、国家としての威信と、国益を徹底して守ることだと思う。戦後、74年以上、ずるずると妥協してきたけじめをつけることが必要で、戦後最大の経済戦争だと覚悟を決めること、それこそが唯一の戦略である。それ以外にない。当然政府は一層の国際世論の形成に取り組む必要があるし、今後起こりうる、アメリカの干渉を最低限にかわし、中国の動向もにらみ、日本外交の実力を試される時がきた。人口減少、官公庁の組織の緩みと、日本の国力が衰え始めている日本にとって最後の踏ん張りどころだ。
これも「29円モヤシ」に記載したが、陸奥宗光や小村寿太郎の外交姿勢を学ぶべきである。

それにしてもやっかいなのは、韓国のマスコミと、日本のマスコミの対応だ。
韓国の三大新聞といえば朝鮮日報、中央日報、東亜日報で、この3紙が発行部数100万部を越え、中でも朝鮮日報が最大発行部数を誇っている。その朝鮮日報は
「対日批判は人類の歴史に対する韓国の義務」(朝鮮日報社説)
と主張する。他国を批判する前に、自国民の自ずと湧き出る建設的な意志はどうした。それを掲げずしてメディアの役割はなく、単なるアジ新聞に落ちてしまう。私は一瞬、目眩を覚えた。
歴史の蓋然性と必然性は、我々人間の予測を超えて様々な現象が積み重なっていく。自分の、あるいは企業の、さらには国家の戦略的・戦術的な思考を把握しつつも、それが一方的に上手くいく世界などあり得ない。それをどう乗り越えるかは、すべて「自己」の問題である。その本質が理解できないとすれば、韓国の深い闇がここにある。
両班制度の差別制度が、未だに韓国社会に巣くっている。これまで韓国の統治者は、庶民に対して、反日を鼓舞して、自国の歴史の本質に迫ることを怠った。韓国の庶民よ本当のことを知れと言いたい。そのために日本がやらなければならないことはたくさんある。
日本のマスコミも猛省しなければならない。自虐史観も独善史観どちらもいけない。日清・日露戦争、太平洋戦争の新聞を見返すと、発行部数のために、過激な記事を書き、あげくは権力に脅され、懐柔され、統制された歴史がこれまでだ。韓国マスコミを笑えない。

さて、我々は、今そこにある「日本の危機」に目を向けつつ、これからの日本を生きる術の一つとして「身の丈に合った暮らし」をする事が「29円モヤシ」の基調思想だが、それは膨張資本主義から自己を守り、物質主義からの解放である。多くの方が拙著と接してほしい。
企業にあっても「量的な成長」から「質的な発展」を目指す、新たなITの世界汎用のシステムを日本から生み出してほしいと強く望む。
日本の基盤技術を盗用してここまで発展してきたサムスンの半導体事業、スマートフォン。韓国生まれのLINEに席巻されている日本。この開発力とシステムが、なぜ日本人・日本企業によって生み出せなかったのか。「危機を乗り切る鍵」はここにある。我々は深く考えるべきだ。
2019年7月14日   春吉省吾ⓒ
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令和5年1月現在、全日本弓連連盟・錬士六段、全日本剣道連盟居合・錬士六段。40歳を過ぎて始めた「武道」です。常に体軸がぶれないように、手の内の冴えを求めて研鑽は続きます。思い通り行かず、時に挫けそうになりますが、そこで培う探究心は、物書きにも大いに役立っています。春吉省吾

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