「冬の櫻」全面改訂にあたって  VOL.67

●今年は、花見も思うように出来ませんでしたが、夕方の散歩で、いいショットがとれました。満開とおぼろ月。2020.4.4

●一見、フンドシのようですが、新作シリーズ「初音の裏殿」の「ネタ巻(物)」です。ここに時系列に人間関係を書き込んであります。7メートほどあります。随時、新資料の項目も書き込んでいきます。シリーズ物創作ならではの長巻物です。写真には記載してある文字は消してあります。春吉の秘策ですから!
2020.6.10

今から9年前に春吉省吾の「四季四部作・歴史時代小説」の最初に刊行したのが「冬の櫻」でした。 超長編歴史時代小説の最初の作品で、誤字脱字も多く、読者の方々には大変ご迷惑をおかけいたしました。(今も、ご迷惑をおかけしていますが、何分、全て独り作業なので、ご容赦ください)
この度「冬の櫻」を全面改訂・修正し、電子書籍として、4巻に分けて、アマゾンKindleに電子書籍として出品することになりました。(手続きがあって7月末になります)
EPUB変換、Kindle/mobiに変換して、アマゾンKindle版として上梓するのは、年寄りの頭の体操としては、大分ハードでした。 
しかし、自画自賛を承知で申し上げますが、今回、改訂しながら「冬の櫻」という作品を精査しました。誤字脱字を正し、言い回し、歴史的事象を一部修正すれば、この作品は時代をまたぐ名作になると思っています。
初版に際しては、全日本弓道連盟の名誉会長・範士十段の鴨川信之先生に
「千巻の書を読むに勝る」
と仰ってていただきました。また私の居合道の師である、全日本剣道連盟・剣道教士七段、居合道教士七段の中村親夫先生には
「中学の時に読んだ吉川英治さんの『宮本武蔵』と同じ感動を受けた」
と激励を受けました。
それから現役の弽師の方から(お名前は伏せます)
「この冬の櫻をぜひ、全日本弓道連盟の弓道副読本にすべきだ」
という、賛辞も頂きました。
その後、新刊を上梓しても、思いのほか売れなかったり、一人作業の拙さで、誤字脱字などの後処理で、落ち込んだときに、上述した先生方の「冬の櫻」の激励が執筆の大きな励みとなりました。
しかし一方で、評論家諸氏からは、
「多種多様の生のドラマを取り込んだ展開は作者の筆力の証であるが、弓術の神髄を核にした物語としては、もう少しテーマを弓術に絞った方が良い」
という意見や
「三人称客観小説の体裁を採っているが、例えば本作品の見所である弓射の場面にしても、特定の人物の視点で開示した方が、臨場感と迫真性が増す可能性も考えられる」
という批評がありました。その意見の何れにも反対です。
最初の意見に対しては、私の長編四部作のテーマの根本は、主人公の持つ個性、ここでは弓道の神髄を獲得していくまでの物語ですが、同時に取りまく時代の雰囲気もしっかりと表現したいという、従来の先輩作家がやらなかった試みをしています。ですから、その批評に対しては、
「『歴史時代小説』とはこういうものだという評論家諸氏の固陋を破り、読者の方々には、その物語の背景にある正しい歴史認識に基づいた『大河小説』としても楽しんで頂きたい」
というのが、春吉省吾の歴史時代小説の定義です。
また、後者の意見に対しても、
「そもそも、小説手法は、一人称、三人称を混在させても、読者が違和感なく、楽しむことが出来れば良いので、その手法を承知の上で使い分けする」
というのが、私の作家としての立場です。
出版の形態は「単行本」であれ「電子書籍」であれ「文庫」であれ、一人でも多くの方に、四季四部作・長編歴史時代小説のシリーズの改訂新版をお読み頂きたいと願うものです。
今回は、「電子書籍」で、全面改訂してみようという試みです。
それにしても、日本の出版流通業界は、2周遅れ、下手をすれば3周遅れの業界です。
失礼だが、読者も直ぐに結末だけを追いかけてしまうことに慣らされて、短編、中編しか読まなくなった結果、「日本社会」の逼塞感、無責任主義の根本を考えられなくなっています。事象の表層しか理解出来なくなり、刹那的で、感情的で、物事の本質を、自分の頭で考え、捕らえられないのです。「国民がアホになっている」(武田邦彦氏・6.16日、YouTube)というのは、日本の「出版村(出版社・流通・作家と、それぞれのなれ合い組織)」の責任も大きくあるのです。
           2020年6月23日  春吉省吾ⓒ          ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
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「秋の遠音」読者の方々からの感想〈その1〉

●今から丁度6年前、下手渡取材の後、「つきだて花工房」に立ち寄って、一風呂浴び、帰る前に、駐車場から周囲の山並みを望む。

●今から4年4ヶ月前、取材で長崎から鳥栖経由で大牟田へ。JR特急「白いかもめ」の車窓に広がる「有明海」。

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既にお読みになった方、読み始めた方などから、お便りを頂きましたのでその一部をご紹介いたします。(掲載文は「部分」のご紹介です)
●立花種恭公の御子孫 立花種則様
「早速に読まさせて頂きますが全1260余頁、時にはその歴史的背景も学びつつ頁を進め、時には頁を戻すなどすると思いますのでゆっくり、じっくりと時間をかけることになると思います。
なお、登場人物紹介のなかに三池や下手渡などでお会いした方々のご先祖さまのお名前もあり、当家の先祖方を含めいろいろと思い巡らすこともあるかもしれません」(上梓できてホッとしています)
●一番最初に読了された 佐藤嘉一様
「まさに令和の時代を代表する感動的な大河小説に酔いしれました。先ずは心から御礼と感謝の意を申しあげます」(筆者としては、こそばゆい賛辞ですが、次の作品の励みになります)
●氏家与志生先生(神奈川の弓道の先生で、教士審査の控え室で偶然に隣となって、お母様が川俣出身と知りました)
「川俣で育った母は四季シリーズの三作を読み終えてから心待ちにしていた作品だけに、本が届いてから時間を惜しむように読んでおります。川俣が出たよ、小島だよ、と言っては喜んでいます。
私も母が読み終わってから読ませて頂きます。一昨年の秋に、両親を川俣の父方の叔母の見舞いに連れて行った際に、下手渡を車で通った事を思い出しました。その風景を思い出しながら読んだら楽しいかと思っています」(弓道教士の審査、お互いに頑張りましょう。しかし、今年は開催されるのかな?)
●屋山家の国家老、屋山外記の御子孫、漫画家で作家の屋山ひろし先生
「それにしても構想から資料集め取材、執筆と10年以上の歳月と費用をかけて完成までこぎつけた、その粘り強さ、決してあきらめない、放り出さない精神力に脱帽です」(屋山先生とは、義兄岩見政弘氏の紹介で10年前に、下手渡藩国家老屋山家の御子孫として紹介されたことを思い出します。86歳になられ、週4回人工透析をされておられるようですが、お元気で月一回福島県民紙の、福島民友新聞に「ややまひろしのろう漫日記」を連載されておられます)
●下手渡自治会長・渡辺好宏様
今から2年9ヶ月前、「秋の遠音」がまだ未完の時に、月舘町下手渡の「交流館」で、講演会をいたしました。この度、ようやく完成したことをお知らせすると、下手渡をまとめ、多くの方々にご購入頂きました。
「類い稀な長編歴史小説の完成には、先生の並々ならぬ信念が伝わって参ります。先生の目にとまり、片田舎の小さな小さな下手渡の存在が、全国にひろく知れ渡るとおもうと、とてもウキウキ、嬉しい気持ちが込み上げてきます。このような機会を頂いたことに深く感謝申し上げます」(こちらが恐縮してしまうほどですが、とにかく完成して良かったです)
●6日5日に福島民報社(福島県の2大県民紙の一方の雄です)の高橋雅行社長様からお電話をいただきました。ご夫婦で下手渡にいかれたことや、小手姫伝説などのお話をいたしました。西日本新聞社(福岡本社の新聞社)にも知人がおられるようです。PRよろしくお願いいたします。
(「秋の遠音」が縁で、伊達・月舘下手渡と大牟田の交流が太くなればいいですね。実は「秋の遠音」の中で、主人公吉村春明の4つ下の幼なじみの森泰(脩)は、破天荒でやんちゃな人物として描きました。印象の深い人物です。維新後、泰は自由民権運動に傾倒し、藤井孫次郎という人物と2人で、「福岡日日新聞」を創設します。現在の「西日本新聞」の元になる新聞社です。まさに、人間の縁はいろいろなところで繋がっています。「秋の遠音」下巻の372ページ参照)
◆「縁」と言えば、古河市兵衛(古河財閥の創始者)が、幕末に福島町(現在の福島市)で活躍しました。「秋の遠音」の主要人物の一人です。私がこの小説に取り上げなければ、埋もれてしまった事実です。これまで「井筒屋」「小野組」「古河」の関連を結びつけられなかったのでしょう。
◆その古河市兵衛の下で働いていた、清水清助という人物がいます。「秋の遠音」に登場しますが、この人物は、白河の「白清館」という製糸工場を創設した人物です。その妻が「みす」といって、河井継之助の母方の従姉妹です。河井継之助は西軍との戦いで長岡を荒廃させた戦犯として、戊辰戦争後、それを恨む者たちによって、墓石は何度も倒壊されました。一族に連なる者達は追われるように長岡を去りました。司馬遼太郎氏の「峠」などには決して書かれない、いたたまれない「負の歴史」です。人間の歴史はきれい事では済まないのです。
私の妻の母方の実家はこの「白清館」清水家の出で、清水清助は曾祖父、みすは曾祖母ということになります。長岡の郷土史家に尋ねても、そこまでは判明しませんでした。実子がいなかった継之助なので、血筋は大分薄くなっていますが、継之助と繋がっていることになります。
歴史は、表層だけでは判りません。だから、面白いのですね。それらを発見し、繋げていくのが、歴史・時代作家としての醍醐味です。 令和2年6月9日  春吉省吾
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「秋の遠音」本文中の誤字等は、随時上記HPの「新刊予告・執筆活動」に記載いたします。