「秋の遠音」と我々の覚悟  VOL.65

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新型コロナウイルスの先行きは、徐々に収束するとしても完全に治まることはない。あらゆるツケが、弱者に、それも現場で働く人達にしわ寄せが来ている。医療、介護、物流などの現場の担当者の努力によって何とか持ちこたえている。時間を繋いで、崩壊しないことを祈るばかりだ。
国民を守るための「日本国政府」、都民を守るための「東京都」からは、先行きを示す具体的な数値や指針の発表はない。感染症対策専門家会議の統計的数値も独善的で笑止だ。
求められる政治決断は遅速で「覚悟」が感じられない。このままズルズル国民に甘え、いつの間にか、うやむやになって事は落ち着く。
9年前の3月11日の東日本大震災、直後の東京電力第一原発事故から、政府。官僚は勿論、我々日本人もその本質を学習してこなかった。
マスコミの方向違いの「報道のたれ流し」も「コロナ禍」が終われば、だんまりを決め込む。日本人は我慢強いが従順過ぎる羊だ。「しょうがない」「仕方がない」という民族性の感情を逆手にとってそれを利用している者達がいる。官邸周辺を牛耳る無責任な財務官僚、通産官僚達のしたたかな奴らである。腹が立つ。これは、明治以来の山縣有朋や、井上馨などの汚職の系譜が、戦後も続き、官僚を甘やかした吉田茂に繋がって現在に至っている。日本の迷走は軍閥だけではないのだ。ここを見誤ってはいけない。いつの間にか「歴史」は歪曲された。
しっかりと「言挙げ」しないと、この先何も変わらない。ポピュリズムのいい加減な政党や、宗教政党が跋扈し、はては平和ぼけに一層拍車をかけた似非平和主義者達によって、国力の衰えた日本は、身動きの出来ない、活力のない国に衰退する(すでになっている)。
「命を守るために、日本国民の皆様、都民の皆様、頑張りましょう」とのたまうが、具体策なしで言うのは、誰でも出来る。「命を守る」ことは勿論大切だが、日常の経済活動のサイクルとは、トレードオフの関係なのだ。
私の立場で言える喫緊の声かけは、ただ一つ、「頑張るな」と言うことだ。「頑張らない」事は「諦める」事ではない。不安いっぱいの日本人が、20%も30%頑張ったとして、何処をどうやって「頑張る」のだ。自己哲理を持ち合わせない殆どの日本人は「どう頑張る」というのだ。また「諦める」事は自らを0%に貶めることだ。どちらも的外れだ。

20年前、私が開講した「心身経営学講座」は、中小中堅企業の経営者や承継者の為に「生きるための物差し」を自得してもらうための講座だった。日本人が本来持っていた、しかし、ねじ曲げられてしまった「思想・哲理」を明らかにし、MBAの技法を援用し、日本人に馴染む経営学に仕立てたのだが、当時は十分な理解を得られなかった。今ならどうか……。
それ以後方策を変え、「小説」という素材によって、「歴史を正しく見据え、試練にどう立ち向かい、どのように生きるか」というテーマで、四季四部作・長編歴史時代小説の執筆に取りかかった。短編では、人間の重層的で、不可思議な繋がり、深層の襞は表現できない。
だが、書きおこしの超長編は時間がかかる。上梓しない限り、一切読者の目に触れることはない。こんなにリスキーで金にならない我慢強い「小説家」は日本に私だけだろう。
しかし、いずれ時代は、私の小説の「核」が求められる時代が来る、と信じている。
この先、日本人として、「新型コロナ禍」後の新しい時代を、充実して生きるためには、緩急自在の思想を持たなければ、権謀渦巻く経済社会情勢に呑み込まれるし、従来までの「甘い他力本願」では、給付金を貰っても、借入をしても焼け石に水である。

2008年のリーマンショックを遙かに超える経済、金融、社会活動の地殻変動が既に起こっている。幕末・明治期の変動をこえる事態が、地球上で起ころうとしている。
この危機が面倒なのは、世界の実体経済が金融経済によって、制御不能になってしまったことだ。IMF、世界各国の金融財政担当者、日銀、財務省などの指導者の迷いにある。指針がないのだ。
更に日本が面倒なのは、この「新型コロナ禍」によっても、既得権益は淘汰されそうもないので明治維新よりタチが悪い。明治以来、我々は、自己の思想・哲理を持たないまま、「官」にいいように扱われ、荒野に弾き出されたままで今に続いている。
「新型コロナ禍」をバネにして、日本再興するには、既得権益を変えるしかない。経営で言う、Reengineering(リエンジニアリング)であるが、そこまで腹を括って本当の国家改革を出来る人物が何人いるだろう。上辺の組織改革やITによる業務改革と勘違いしてはだめなのだ。
戦後直ぐ、昭和22年の「教育基本法」も時代に全く適合していない。「思想・哲理・宗教」など、その本質を考えることは忌避された。我々日本人は「考える物差し、生きるための自己哲理の武器」を持たないで、ここまで来てしまった。そんな丸腰で「頑張って」も駄目なのだ。
いずれにしても、今は、大河小説「秋の遠音」を暫し立ち止まって読むぐらいの余裕を持ってほしい。あなたにはリセットが必要なのだ。そこからしっかりと見えてくるものがあるはずだ。そんな覚悟をもって「秋の遠音」を楽しく、じっくりと読んで欲しい。読者に決して損はさせない。
                                  2020年5月10日  春吉省吾ⓒ

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