「夏の熾火」の裏話その2 2015.10.4

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板倉神社・早朝ジョギング福島県立図書館雀蜂退治

主人公の一人、吉見台右衛門。紀州竹林派の弓術家で、三十三間堂の通し矢でも、「惣一」を為し遂げ、葛西薗右衛門や和佐大八郎の天才達弓術家達を育てた指導者としても知られていますが、実際物語にしようとすると「逸話」が殆どない人物です。
京都大徳寺で亡くなったことになっておりますが、寺に問い合わせをしても、資料を調査しても検証することが出来ませんでした。勿論、紀州藩歴史書「南紀徳川史」などの基本資料にはそのような記載はありません。

というわけて、創造力と推理力で物語を作っていくことに決めました。
父の、喜太右衛門は弓術に優れ、初代藩主徳川頼宣に、陰のように使えました。母の絹は京で売り子をしていたような女で、最後まで正妻にはなれませんでした。
油井正雪の乱で、喜太右衛門の探索にも活躍した烈女です。資料にほんの数行残る台右衛門の母は、四度目の大矢数に出かけていって指図した様です。
台右衛門が相当なマザコンであったことが想像されます。
したたかな父に翻弄され、なかなか自分自身の立ち位置を確定できない台右衛門。
それはずっと台右衛門の頭の片隅に、いつもこびり付いてた離れない事でした。
政治の渦の中に巻き込まれ、それを潔しとしない台右衛門。物語は様々な伏線を孕んだまま、台右衛門は龍神村、小森谷に棲む、幻の弓師、茂蔵を訪ねるのです。
茂蔵は、雑賀衆の鉄砲遣いでもありました。
茂蔵の魁偉な容貌は、波乱の人生を物語っています。
茂蔵は熊野の険しい山野で猟をすることで、小さな拘りを捨てて、今置かれているその時空を感じろと、台右衛門に身をもって体験させるのです。茂蔵の意志は、台右衛門にしっかりと伝わります。
台右衛門が自ら作り上げていた「呪縛」が解け、そこから「夏の熾火」の壮大な物語が広がっていきます。

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写真は、9月28日から30日の出来事。
「春のみなも」の舞台、阿武隈川と群生するススキ。早朝ジョギング・ 板倉神社。二日間通った「福島県立図書館」。完全武装して「雀蜂退治」蜂の巣の大きさは何と直径20センチ。怖かった。(「夏の熾火」にも雀蜂が登場)

管理人
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令和5年1月現在、全日本弓連連盟・錬士六段、全日本剣道連盟居合・錬士六段。40歳を過ぎて始めた「武道」です。常に体軸がぶれないように、手の内の冴えを求めて研鑽は続きます。思い通り行かず、時に挫けそうになりますが、そこで培う探究心は、物書きにも大いに役立っています。春吉省吾

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