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少し「憂鬱」Bit gloomy(blue)、かなり「お疲れ」really tired

「夏の熾火」が出来上がって、ずっと「肉体労働」が続いている。
取材から、資料調べ、執筆迄は、普通の作家の領域であるが、私の場合はそうは行かない。何しろ、それに加えて、組版、表紙デザイン・レイアウト、印刷・製本屋さんとの納期価格交渉、売価設定、流通との交渉、HPの製作・改訂、DM 、葉書、栞などのPR物も一人で作る。更に、倉庫への搬入、在庫管理、注文への梱包発送を全て独りでやっている。
今回も急ぎ「正誤表」を作りながら、お世話になった人への「為書き」など、目の回る忙しさである。
本体の会社に負担を掛けずに(本体は今期で33年目)小説を上梓するため、入り口から出口まで、全て独りでやっている。
そう言っても、誰も信じないだろうが、事実である。
一般には、作家活動は、取材し、執筆し、校了した段階で普通は終わりだが、販売活動まで全てやるとなると、その数倍の体力と全く別な能力が必要になる。
好きではじめたことだから、泣き言は言わない。そう思うよりも、ここまでやれる物書きは、「今までに世界でただ一人」という自負を持ってやっている。
自ら「山本書店」として核になる自著の書籍販売もされた、山本七平さんであっても、私のようなことまではしていないに違い無い。

そうは言っても、何とかしたいことが二つある。
一つは自分の書いたものを「校正」するほど難しいものはない。二千枚からの原稿を、何十回と確かめながら校正をしても、必ずチェックミスはある。完璧はない。今回も変換ミスや行送りのミスで、「ははあ、馬鹿なチェックミスだ」と嗤われるようなミスも犯す。しかし全体のプロットには殆ど影響は無いが、出版社として恥を忍んで、正誤表を出す。
完璧にするためには、プロの校正者を複数人、頼まなければならないが、(一人ではいくらプロでも間違う)コストアップとなり、現在の価格ではとても販売できなくなってしまう。
大手出版社でも「夏の熾火」の装丁とページ数であれば、この価格以下の値付では売れないと思う。
本になってから、正誤表を自ら作ると云うことほど、作家にとって、「憂鬱」で「疲れる」作業はない。涙が出るほど辛い。
また製本屋さんからの書籍を倉庫に入れ、区分けするのも、肉体的に疲れる。
まあ、好きな本を好きなように出すために、背負う痛みと負荷である。

それから、何とかしたいもう一つは、やはり多くの人に読んでもらいたいということだ。
当たり前のことだが、弱小出版社の悲しさゆえ、読んでもらえる読者は少ない。
今後は、短編中編を大手出版社にも売り込み、より多くの読者に拙著を読んでもらいたいと思う。それも視野に入れ、何とかあと数編、体力と気力が衰えないうちに、頑張って長編小説の執筆をやり遂げようと思う。
そうすれば、一発屋の作家と違って、長編小説の為に取材した、ストックは負けないので、今後は、短編中編の、楽しんで頂ける「やや骨太の大衆小説」を作っていきたいと思う。

今まで、一度もこのようなことを書いたことがなかったが、開き直っているわけでも、泣き言を言っているわけでもない。ただ、そういう作家がいて、出版社もあると言うことを知って欲しいということだ。
こういう「奇特」な人間がいなければ、口先だけの腰の据わっていない「文化人や文筆家」が跋扈するだけだと思うからである。
何とぞ御声援を。

ただ、タイトルの通り、上梓後は、いつもと少し違う。
一言で言うと、女性のマタニティー・ブルー(maternity blue)に近いかもしれない。
マタニティブルーとは、出産直後の女性が陥りやすい不眠・ふさぎこみなどの一過性のうつ状態で、私は女性でないから本当のところは判らないが、上梓した後の一連の作業は、ずっしりと落ち込む。
マタニティ・ブルーの解決法は「完璧主義」から脱することであるとあった。
そうだ、天才でもない私が、一連の作業を全て完璧に出来るはずがない。
それよりも、「多少の誤字脱字は勘弁」頂いて、次の執筆に取りかかろうと………。
これは、開き直りか、やっぱり……。  まあそんなわけで、我が心境は、少し「憂鬱」Bit gloomy(blue)、かなり「お疲れ」really tired。     2015.9.16

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写真は、関東・東北に甚大な被害をもたらした水害の翌朝、ジョギングコースの大山公園から見る、鱗雲。東京消防学校の空もすっかり秋。わが家の紫式部。