今、長編時代小説「風浪の果てに」という物語を書いていますが、その中で主人公が舞囃子の小太鼓を打つ場面が出で来ます。
能について色々調べ、本も数冊読みました。以下は物語に関係ないのですが、面白いことに気付きました。新年や舞台開きなど祝賀の機会に演じられる演目「翁」です。
様々な点での演目と異なる独特な様式を持ち、「能にして能にあらず」などとも形容されます。
〈シテ 〉どうとうたらりたらりら。たらりららりららりどう。
〈地謡〉 ちりやたらりたらりら。たらりあがりららりどう。
という詞章は難解で、色々な説があります。世阿弥の時代に既に申楽の神聖曲とされていたようです。不思議一杯の日本語、そしてその日本に住む我々。表層の深部に深い日本の歴史があるようです。
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