早いもので、3月も残り一日となりました。 現在様々な資料の山に囲まれて、ハイテンションで机に向かっています。 どんなことをやっているのかという、裏話をご紹介致しましょう。 まず、今年8月に出版予定の●「夏の熾火」は最後の章に取りかかっています。5章、6章と加筆し、第1章から全て赤字を入れています。過去の反省をふまえて、誤字脱字は勿論、人の名前を間違わないようにチェックしています。「校正」の大切さを認識し、寝る前に、1時間以上、編集者として読者の立場から赤字を入れています。ついつい朝の4時になったりして……。
同様に●「冬の櫻」も改訂新版を9月か10月に上梓します。全て赤字を入れて、後は纏めるだけです。
●「夏の熾火」も●「冬の櫻」も弓道の専門的な事柄が出で来ますが、江戸時代から現在まで、各流派の伝書の用語など、色々あって、物語にするのに苦労しましたが、一般の読者に理解して頂くことを第一義に考え纏めました。 双方とも、2千枚に及ぶ作品ですが、長く日本人に読み継がれる作品になったと自負しています。
●「春のみなも」も全て誤字脱字を修正し、不正確な部分も手を入れ、改訂新版として、来年上梓の予定です。
●「風浪の果てに」(中編時代小説)は、沼崎吉五郎が吉田松陰の「留魂禄」といわれる遺書を13年肌身離さず持ち続け、松陰の弟子、野村靖神奈川県令に届けた物語ですが、吉五郎の出自、その後の消息はよく判りません。不思議な人物です。一昨年、この吉五郎に関して小説を上梓された方がいらっしゃいましたが、私の構想は15年来なので、現在150枚ほど進めている筋書きは、その方とは全く違った物語になると思います。獄舎や三宅島などの資料で頭の中も一杯になっています。 写真はその吉田松陰を祀る東京の松陰神社のスナップです。
●「秋の遠音」の取材で、4月の後半に、主人公立花種恭公のご子孫のかたにお目にかかって参ります。先日、福島にいらっしゃる国家老の屋山外記のご子孫、屋山弘氏と偶然お目に掛かって食事をしましたが、地元伊達市の資料が少ないのは残念です。しかしそれを補うのが物書きの創造力と思うとわくわくします。 種恭公と、家茂、慶喜、新選組、松本良順、小笠原長行、ロッシュやパークス、伊藤博文等々とのやりとりは、物書きとしての筆力が要求されます。資料も慎重に読み込んでいます。 時間に縛られた取材交渉、校正、執筆、装丁、資料漁りや読み込み、この年であらゆる事を全て一人でこなすのは大変なのですが、これも楽しい(?)試練です。苦しみの中からしか、本物は生まれません。 体調管理の為に、弓道と居合の稽古もやっていますが、この年になると「指導や組織運営の会議」などで時間を取られます。実際のところ、暇な方にやって欲しいのですが、暇で役付きになりたい方と、その人柄と能力は全く別物なので、ボランティア活動の一環としてご協力しています。今後はなるべく負荷を少なくし、本来の稽古と、執筆に時間を割きたいというのが本音です。
●「福島に魅入られた男」や●「二本松少年隊」の事なども資料集めをしています。
●「言挙げぞする」という、腑に落ちる哲理書もメモを取り始め、フレームワークを構築しています。 ハーバード大学ケネディスクール(ハーバードケネディスクール行政大学院)のロナルド・ハイフェッツ教授の「リーダーシップ論」をテレビで知りました。その考え方が実に似ているなと思っています。彼は30年前からそのように主張しているとのことですが、私はかれこれ40年来そのような基調で経営哲理や、日本人論を展開してきました。今から、20年前は、誰からも見向きもされなかったのですが、世の中がやっと、近づいてきたなという感じです。逼塞した日本をどうするか、どう覚悟を決めるか、腹を括るか、そろそろ纏める時期にきたのでしょう。 やることは沢山ありますが、焦らず急ぐことにします。 風やや強く、桜散る西原の事務所にて 春吉省吾・佐藤祥一 2015.3.31
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