「怪物生成」発刊・金吾よ日本の闇を暴け!

ノーク出版からお知らせ
「怪物生成」のあとがきにかえてより
  
  読んでわくわくする「幕末・維新」の歴史小説を読みたい
  それも旧来視点の箍(たが)を取り払った小説を読みたい。
  歴史の勝者によって意図的に歪曲・削除された小説も、敗者をいたずらに美化する小説もまた鼻につく。
  時代背景が精緻で、登場人物の息遣いを確かに感じられる小説を読みたい。
  かつて名作と言われた歴史時代小説はあるものの、昭和・平成と時代を経て、隠されていた歴史の様々な事実が明らかになると、より深い時代背景が必要となり、高度成長期に書かれた幕末・維新の小説では、もはや満足できない。
  だが色々探してもそんな歴史小説は見当たらない。
  無ければ「書こう」と思った。動機は単純だ。
  しかしそうは思っても、読むのと書くのとは大違い。作品を批評するのと物語を執筆するのも当たり前だが大違いだ。
  58歳の時に「永別了香港」という、香港返還前から天安門事件までの実業の世界を描いた長編私(的)小説を上梓(この小説は、2020年秋に全五巻としてアマゾンKindleから発刊)した。それから現在まで12年間、歴史時代小説を書くためにあらゆる資料を捜しながら、四季四部作・歴史時代小説シリーズを完成させた。この12年間は私の人生の中で一番「勉強」した期間だ。その範囲はあらゆるジャンルに亘った。遅まきながら勉強のし直しをした。
  その間、次のライフワークとして「幕末・維新」の裏で活躍する架空の天才「宇良守金吾」という主人公を創造し、舞台作りから長い間温めていたが、この度ようやく第一作「怪物生成」~初音の裏殿・第一巻~を上梓する事が出来た。
  シリーズ第一作の上梓は古希からのスタートになった。シリーズを完成するまでは決して惚(ぼ)けるわけにはいかない。
  頭の中には最後のシーンが既にあるのだが、それを文字にするのはまだ先のことだ。
  「晩成亦佳哉(ばんせいまたよきかな)」と自作した座右銘を胸に刻み、焦らず初心を貫くことにする。
  「実践・快老生活」という渡部昇一先生の86歳の随筆にこうある。
  「私は近年、夏目漱石の小説を楽しめなくなった。ここでいう『本を楽しむ』とは、子供の頃、(私の場合でいえば)三国志や少年講談を夢中になって時が経つのも忘れて読み耽ったような面白さで読めるかどうか、興奮して身震いするほどに没入できるかどうかである。(中略)だが、そもそも漱石に限らず、私小説的な読み物は、人生経験の豊富な年寄りには楽しめないかも知れないのである。(後略)」
  齢70歳にして、無謀とも思える長編シリーズを執筆計画しているのも、まさに渡部先生仰る、楽しく物語に没入でき、今まで思いもよらなかった世界を物語にして発信したいという思いからだ。
  私小説的な世界を必要とする読者も確かにいる。だから否定はしない。一方で、閉塞感に押しつぶされそうな逆境や悲惨な状況の中で、何とか未来を切り開くために「楽しめる本」を探している読者も多い。
  戦後我々は、闇雲に働き高度成長を成し遂げたが、バブルが弾(はじ)け、その努力はむなしく消滅した。更にグローバル化に翻弄され、気がつけば、我々の直近20年間の経済成長率(名目GDPの成長率)は世界最低を這(は)っている。
  更に、武漢ウイルスによって我々の日常はズタズタにされてしまった。為政者の愚策は明白だが、それを許した我々国民に責任がないとは言えない。これらの危機に、我々一人一人が覚醒しなければこの先の日本復活はありえない。
  本巻の「怪物生成」の主人公、宇良守金吾は天才的知略で、極めてクールに相手を籠絡させるという痛快さだが、戦後76年間、敗戦利得者達によって歪められた現在の日本の社会構造を「幕末」という時空間に仮託した。
  いままで隠蔽されてきた幕末の裏側も、不当に扱われてきた人物にも光を当てる
  陰謀論として排斥されていた事象が、実は本当だったという事がこの一年半の間に起こった。
  アメリカ大統領の不正選挙や、コロナワクチンが中国で人工的に作られたものであるということが証明されつつある。
  その間マスメディアは、彼等にとって都合の悪い情報を全て隠蔽し黙殺した。国民には事実が全く伝わらない
  そのカラクリはそのまま幕末明治維新にも数多く見いだされるが、これまでしっかりした検証もされず、「正しい歴史」としてまかり通っている。日本の闇である。
 そんな「虚構の幕末歴史空間」の中で、架空の天才ヒーロー宇良守金吾は、颯爽とその闇を切り開いていく。我々の鬱憤を晴らすべく縦横に暴れ回る金吾、痛快この上ない。
 同時にこの小説から、主人公金吾の知略を通して、本来日本人が持っていた気高き人間性と、失われつつある基本的教養を楽しく学んで欲しい
  例えば、シリーズ第三巻ではじめて明らかになる「初音の裏殿」のタイトルの意味を少しだけ種明かしをしておこう。
  様々な職業に身を変えた全国に拡がる「宇良守軍団」の配下の木賃宿が「御宿・初音」である。その離れの地下に、秘密の宇良守の江戸司令塔がある。
  「初音」というネーミングは「源氏物語二十三条」、明石の君が明石の姫君に送った和歌
  「年月を松にひかれて経(ふ)る人に けふ(今日)鴬の初音聞かせよ」
  に因(ちな)む。江戸で鶯が初めに鳴くといわれた「初音町」は、現在の鶯谷辺りである。
  「怪物生成」では、次の展開のための様々な仕掛けをちりばめた。
  まず読者諸兄には「怪物生成」~初音の裏殿・第一巻~をお読みいただき、遠大な幕末歴史時代小説の次回以降に思いを馳せ、作者と一緒に知的バトルに遊んで欲しい
  この先、「初音の裏殿シリーズ」が春吉省吾にとって畢生の大作となるべく、焦らずに執筆を積み上げていきたいと思っている。
  読者の皆様のご声援を支えとして巻を重ねていきたい。
令和三辛丑歳七月朔日
                             春吉省吾ⓒ

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管理人
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令和5年1月現在、全日本弓連連盟・錬士六段、全日本剣道連盟居合・錬士六段。40歳を過ぎて始めた「武道」です。常に体軸がぶれないように、手の内の冴えを求めて研鑽は続きます。思い通り行かず、時に挫けそうになりますが、そこで培う探究心は、物書きにも大いに役立っています。春吉省吾

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